落雪 -rakusetu-



 それは、七年前の話。

 この街に来てから、もう何年も経つ。
 親友と呼べる友達もできたし、それなりに充実した日々が続いていた。
 そんな折、日常が終わりを告げた。
 悲しい出来事があった。
 この先ずっと泣いていられそうな、悲しい事が起きた。
 だがそれはあやふやで、靄がかかっていて、今でも思い出せない。
 しかし、その強烈なインパクトだけは、今でもはっきりと脳裏に焼き付いていた。


  ○


 目前の湯気は、ただもくもくと立ち昇っていた。
 浴室いっぱいに広がる湯煙。
 天井は白く、どこまでも広がっているような感覚さえ思わせた。

 あの日以来、全てがただ空しかった。
 何もないあじけない日々が続いていた。
 …ひとりでいると、嫌なことしか思い浮かばない。
 その思いを振り切ろうと頭まで潜ってみても、無駄だった。
 ――祐一さん、入るわよ。
 その時、ふいに聞こえてくる声。
 そしてその声の主は、ガラス張りのドア一枚隔てたところで服を脱ぎ始めていた。
 ――ちょっ、ちょっと待ってくださいよ。どうして急に…。
 ――たまにはスキンシップも必要かなって思ったの。
 ――でも…。
 ――背中の洗いっこもできるし、一緒にお風呂も入れるわよ。
 ――……。
 口の上まで湯に浸かり、ぶくぶくと泡を吹く。
 何となくの、気を紛らすための行為だった。
 しばらくして、一糸纏わぬ姿で秋子さんが浴室に入ってきた。


 カタン
 隅っこに二つ重ねられた、緑色とオレンジ色の風呂場用のイス。
 その一つをタイルで敷き詰められた床に置き、秋子さんはそこに腰掛けた。
 スポンジでボディーソープを泡立てて、身体を洗い始める。
 そんな秋子さんの姿をちらちらと横目で覗き見ながらの入浴は、気が気じゃなかった。
 秋子さん、恥ずかしくないのだろうか。
 …まあ、所詮秋子さんから見たら、俺なんて子供なんだろうけど。
 だけど、もうとっくに、こうやって一緒に風呂に入るような年齢じゃないと思う。
「…どうしたんですか? 私の方をさっきから気にしてるみたいですけど」
「え…な、なんでもないです…」
 胸を隠そうともしない秋子さんを、俺は直視できるわけがなかった。
「じゃあ、さっき言ってた通り、背中洗っていただけますか?」
「……」
 秋子さんが横を向いたのを確認してから、湯船を出る。
 平然を装いながら緑色のイスに座って、手渡されたスポンジを受け取る。
 そしていざ、というところで、イスに座ったままでは洗いにくいことに気付き、もう一度立ち上がった。
「どうしたんですか?」
「あ…なんでもないです」
 両手でスポンジを持ち、ごしごしと擦る。
「…あ、祐一さん。そんな力を入れなくてもいいですよ」
「あっ、はい」
 無意識に手に力が入っていたようだ。
 今度は気を遣いながら、止めた手を再び動かす。
 背中を擦る音だけが、湯煙が立ち込める浴室に響く。
 次第に秋子さんの背中が火照ってきたような気がした。
「こうして一緒に入るのって初めてかしらね、そういえば」
「…そうですね」
「名雪となら、何度もあるんですけどね」
「……」
「…そうだ、今度三人で入りましょうか」
「やっ、ヤですよっ」
「あら、恥ずかしいんですか?」
 クスクスと笑う秋子さんと、おそらく顔が真っ赤になっているであろう俺。
「…さてと、もういいわ」
 俺が手を止めると、洗面器で湯を掬い、肩からかける。
 二度三度と湯を流し、
「今度は祐一さんの番ですね」
そう言いながら、秋子さんは振り返った。
 その突然の行動に、俺も慌てて向き直る。
「…あらあら」
 おかしそうに笑う秋子さんの声は、右から左に通り過ぎていった。
 秋子さんから自分のが見えないように気を付けながらイスを手繰り寄せ、腰掛ける。
 後ろで手が動く気配がした後、俺の背中に何らかの感触。
 それはスポンジではなく、秋子さんの手だった。
「…あ、秋子さん」
「どうかしたの?」
「いや、その…」
 まるで手で洗うのが当然かのような返答。
「どこか痒いところはありますか?」
「…ないです」
 まるで散髪屋さんのノリの秋子さんは、どことなく楽しんでいるようだった。
「腕、こっちに向けてください」
「……」
 少し窮屈だが、言われた通りに後ろ向きに手を伸ばす。
 肩から指の先まで滑っていく秋子さんの指。反対側の手も同じように。
「ほら、今度はこっち向いて」
「え…あ…」
「まだ身体、洗ってなかったんでしょう? ついでに洗ってあげますよ」
 さすがに、これには抵抗があった。
「い、いいですよ。自分で洗えますから」
「いいからいいから」
 しかし、所詮は子供の抵抗。大人の秋子さんには敵わなかった。
「……」
 手を足と足の間に挟むようにして前を隠し、座ったまま身体を秋子さんの方に向き直る。
「ちょっと手を退けてくれませんか?」
「……」
「…どうしました?」
「…いえ、なんでもないです」
 言われた通りに手を退けて、今度は足を内股ぎみにする。
「名雪みたいに、綺麗な身体ですね」
 綺麗かどうかは分からなかったが、女の子と一緒にされるというのは少し嫌な気がした。
 そりゃあ確かに、言うほど力が強いわけでもないけど…。
「…くすぐったいです」
「ちゃんと洗わないとね」
 胸からわき腹、そして腰にかけてを手で揉むように摩られる。
 秋子さんの肘が自分の胸に当たり、目前で何度も形をゆがめていた。
「祐一さん、今度は足」
「……」
「ほらほら」
「あ、ちょっ…」
 この際露骨になっても構わないと、俺は両手で自分のを隠しながら、持たれた方の足を伸ばす。
「……」
 足の指と指の間、踵、足首、膝、そして太もも。
 もう一方の足は、太ももから足の先へと。
「さてと…祐一さん、ちょっと立ってくれますか?」
「え…?」
「そのままだと洗いにくいですからね」
 言いながら、秋子さんは俺の手首を掴んできた。
 そして、覆っている手をゆっくり引き剥がそうとしてくる。
「…あ、秋子さん。その…恥ずかしいですから、ここは…洗わなくていいです」
「あら、ちゃんと洗わないと汚いですよ。それに、病気にだってなるんですから」
「え…」
「私に任せれば大丈夫ですから。ほら、立ち上がって」
 笑顔のまま、そんな事を言ってくる。
「……」
 しばらく考えた後、俺は秋子さんの言葉に従って、両手で隠したまま立ち上がる。
 しかし、それを秋子さんは許してはくれなかった。
「えっと…そうですね。手を私の肩に置いてください」
「…どうしても、ですか?」
 縋るような目で秋子さんを見る。
 だが、俺の問いには答えてくれず、ただ笑顔を浮かべているだけだった。
「…分かりました」
 手を放して、秋子さんの肩を掴む。
 今、秋子さんの目の前に俺のがさらけ出されている。
 とても恥ずかしかったが、だからといって、隠す術はない。
「もし痛かったら、思いっきり掴んでもいいですからね」
「…痛いんですか?」
「うーん…ほんの少しだと思います」
「…分かりました」
 そう言い終えると同時に、秋子さんの手が俺のを両手で包み込むように揉んできた。
 何ともいえない感覚に身震いする俺。
「…祐一さん、ちょっと我慢して下さいね」
「……」
 恥ずかしさのあまり、口もきけない。
 それをどう受け取ったのか、秋子さんは先の方を親指と人差し指でつまんで、ゆっくりと『皮』を剥き始めた。
 こそばゆい感覚の後、だんだん痛みが走ってくる。
「痛い…っ」
 我慢できる痛みじゃない。
 いや、我慢できるとかできないとか、そういう痛みじゃない。
「もう少しですよ」
「……」
 ぎゅっと、秋子さんの肩を握る。
 ……。
「…はい、終わりました」
「……」
 おそるおそる自分のを見てみる。
 ついさっきまで皮を被っていたところが現れていて、赤く腫れているようにも見えた。
「祐一さん、後は痛くないですから、安心して下さいね」
 手でお湯を掬って、泡を洗い流す。
 そして…。
「あっ」
 信じられないことに、秋子さんは俺のを咥えて、舐め始めたのだ。
「あ、あきこさん、汚いっ」
「…そんな事ありませんよ」
 口を放して、俺の方を向く。
「祐一さんの身体に、汚いところなんてどこにもありませんよ」
「で、でも…」
「祐一さん、大丈夫ですから身を任せてください」
「……」
 笑顔で話す秋子さんに、俺は何も言い返せなかった。

「…んっ…はぁ」
 何度も身体をくねらせながら、それでも秋子さんは気にせずに俺のを舐めている。
 根元から胴に移り、先の方へと舌を這わせていく。
「はむっ…」
 そして、俺のは根元まで秋子さんの口に含まれた。
 先をちろちろと舐められる度に、俺は身を震わせる。
 頭の中が真っ白になっていく。
 未だに、秋子さんが俺のを舐めているなんて信じられない。
「はぁ…」
 舌を這わせながら口を放す。
「…祐一さん。私にも…同じ事をしてくれませんか?」
 とろんとした、いつもとは違う目の秋子さん。
 何だかとても気持ち良さそうなのは分かった。
「…ほら、お願い」
 秋子さんが足を開く。
 自分でも分からない衝動にかられて、俺は膝を地面に付いて、身を屈めた。
「ぁっ!」
 ぷくっと膨らんでいた部分を一舐めした途端に、秋子さんが息を切らす。
「…大丈夫ですか?」
「はぁっ…大丈夫ですから…続けて…」
 俺の頭を手でおさえ、自らそこに導く。
 目前にあるそれを、俺は口全体で舐め上げた。
「んっ…んっ……はぁ…」
 俺が少し舌を動かしただけで、秋子さんは声を張り上げる。
 とても気持ち良さそうだ。
 それがたまらなく嬉しくて、俺はいっそう激しく舌を動かした。
「ゆういちさん…手も…手も使って…」
 その言葉に、俺は手で秋子さんのに触り、親指で広げるように揉む。
「ひゃぁ…」
 涎を垂らし、足がだらんと力をなくす。
 しばらくその行為を続けていると、秋子さんの手が俺の背中を這い、下腹部へと。
 そして俺のものを握ったかと思うと、最初と違って乱暴に扱かれた。
「っん…」
 その突然の感覚に、俺はガクンとうな垂れ、秋子さんに縋る思いで抱きついた。
 しかし、秋子さんは一向に止める素振りを見せない。
「あ…あきこさん…」
「…祐一さん…気持ちいいですか?」
 変な感覚だった。
 頭がぼーっとして、何も考えられなくなって、怖くて、形容し難い感覚だった。
「…はい」
 しかし、それがとても気持ち良かった。
「ふふ…じゃあ、もっとしてあげます」
 そう言うと、秋子さんは一旦手を放して、ボディーソープを手につけ始めた。
 そして俺に見せつけるように、両手でそれを伸ばす。
 ヌルヌルとしたその手で触られるかと思うと、興奮して息が荒くなる。
「祐一さん、お口が休んでますよ」
「あ…はい」
 再度、俺は貪るように秋子さんの股の間に顔を埋めた。
 いつのまにか、そこはヒクヒクと疼いていて、早く舐めてと誘っているように見えた。
「ひゃっ…あん」
 親指で膨らんだ部分を擦りながら、周りを舌で丁寧に舐める。
「祐一さん…はぁあ…上手よ…」
 腰をくねらせる秋子さん。自分から俺の口にその部分を押しつけてくる。
 むせ返るような匂いは、俺をより興奮させた。
「あっ…」
 秋子さんのヌルヌルとした手が、俺のに触れる。
 触れたかと思うと、両手で強く握られる。
 そして、さっきより激しく、俺のを扱き始めた。
「あ…あぁ…むぅっ」
 俺が舌を止めたからだろうか。秋子さんは腰をくねらせて、その膨らんだ部分を俺の鼻に何度も擦らせる。
 しかし、次の瞬間。
「…はぁっ」
 急に、秋子さんはピタリと動作を止めた。
「……」
 どうして、という表情で秋子さんを見る。
 すると秋子さんは、俺の両脇を手でかかえて、抱き起こした。
 そして、俺の顔は秋子さんの胸に埋まった。
「祐一さん…」
「…なんですか?」
 俺の言葉は秋子さんには届いていなかった。
 秋子さんは俺のを、そのさっきまで俺が舐めていたところへと手で導く。
 ズブ
 柔らかい感触がして、先っぽが秋子さんの中に入った。
 俺の腰を秋子さんが引き、俺が力を入れずともズブズブと秋子さんに包まれていく。
「…はぁ」
 たまらなく気持ちいい。
 俺のものは全て、秋子さんの中に入りきった。
「…後は…祐一さんがしてください」
「…どうすれば…いいんですか?」
「祐一さんが気持ちいいように…して…」
 腰に宛がわれていた手はわき腹に移り、腕を回して俺を抱き締めた。
「……」
 腰を引き、再度押し込む。
「…はぁっ」
 洩れた声は秋子さんのものなのか、それとも俺のものなのか。
 それすらも考えられないほどに、俺は場の雰囲気と未知の感覚に酔っていた。
「はぁ…はぁ…んはぁ…」
 呼吸に合わせて腰を動かす。
 秋子さんも、それに合わせて腰を引いたり押し付けたりを繰り返す。
 暖かい。白い。気持ちいい。
「うぁ、ああぁ…はぁあ…」
 秋子さんの息が荒くなる。
 俺の目前で揺れる秋子さんの大きな胸。
 その先端で固くなっている部分を舐めてみた。
 それが気持ち良かったのだろうか。秋子さんが身体をビクッと震わせる。
 その時、さっきまでとは違う感覚が俺を襲った。
「…イキそうなの?」
「…はぁ…わか…」
 腰を動かすのに夢中で、何ともいえない。
「中に出していいから…」
 秋子さんが何の事を言っているのか分からない。
 ただ、秋子さんがいつのまにか俺の腰を掴んで、行為の手助けをしていることだけは分かった。
 水をたっぷり含んだスポンジを思いっきり握りつぶしたような、そんな音が断続的に響く。
「…あ…ああ…あっ!」
「ん、うぅぅんっ!」
 俺の中で何かが弾けると同時に、秋子さんは俺のを強く締め付けた。
 そして、頭の中が真っ白になっていった…。






「ん…んん……」
「あら、起きた?」
 声が聞こえる。
 周りが暖かい。
 数秒考えて、自分がお湯の中にいることに気付く。
「…頭が重い……」
「…あ、ごめんなさい」
 その声が聞こえてすぐに、重みがなくなる。
 ぼやけた目で振り向くと、胸。
 …胸?
 ……。
 …あぁ、秋子さんか。
「気持ち良さそうに眠ってましたよ、祐一さん」
 微笑む秋子さんを見ていると、急に恥ずかしくなって、俺は前に向き直り、離れようとした。
 しかし、
「あ、逃がしませんよ」
俺の行動を予想していたのか、すぐに秋子さんに手を回されて、捕まえられる。
 そして、俺は先まで座っていた秋子さんの膝の上に納まった。
「…祐一さん、少しは楽になりましたか?」
 腰と首に手を回されて、頭の後ろが胸に当たる格好となる。
「本当は、ここまでするつもりはなかったんですけどね」
「……」
「最初は本当に、一緒にお風呂に入ろうって思っただけだったんですよ。でも…しばらくご無沙汰でしたから」
 うふふ、と微かな笑い声。
「…祐一さん、今更ですけど、ちょっといいですか?」
「…何ですか?」
「あのね、あゆちゃんの事ですけど…」
「……」
「今は確かに悲しいけど、でも、乗り越えられない悲しみはありません。祐一さんを見てると、何だかずっと下を向いてましたから…」
「……」
「まだ子供だから、難しい事は分からないわよね。でも…」
 回されていた手に、力がこもる。
「私が傍にいますから。何かあれば、甘えていいですから。だから、前を向いて歩きなさい。…いいわね?」
「…はい」
 頬に、秋子さんの唇の暖かみが伝わった。


 わさわさわさ…
 恥ずかしいからいい、と言ったにも関わらず、秋子さんは俺の身体を拭いていた。
 それも、一番敏感なところを重点的に。
 あまりにも激しく擦るものだから、また頭がぼーっとしてきた。
「…はい、もういいわね。足上げて」
 感じ始めたばかりだというのに、秋子さんはその手を止めてしまった。
 少し残念に思いながらも、言われた通りに足を上げると、秋子さんはなんと俺にパンツまでも履かせ始めた。
 しかし、今更口出しするのも面倒。というより、今は秋子さんに甘えていたかった。
 そんな調子でパジャマのボタンまで付けてもらって、俺は自分の部屋に戻った。
 それから数分も経たなかったと思う。
 名雪の部屋から、さっきまでの秋子さんみたいな声が聞こえてきたのは。
「ひゃあ…ひゃああ…」
 それはあまりにも、卑猥な光景だった。
 ひとりでエッチな行為をしている同年代の女の子。
 しかもそれが従姉妹だっていうんだから、信じられない。
 しかし、ドアの隙間から覗く俺の視線の先にいるのは、見間違う訳もなく名雪だった。
「あぁぁ…ひゃっ、ひゃぅぅんっ!」
 急に声を張り上げたかと思うと、名雪は背中を反り上げて、ビクンビクンと震えていた。
 その表情は俺の方からは伺えなかったが、濡れたあそこが月に照らされて何ともいえない興奮を俺に与えた。
 秋子さんに舐められた時のように、自分のが膨らむ。
「…はぅ」
 くてん、と力無く横になる名雪。
 我慢できなくなって、俺はゆっくりとドアを開けて、身体を滑り込ませた。
「…名雪」
 名を呼びながら、後ろ手でドアを閉める。
 さきとは違う風にびくんと身体を跳ねさせて、名雪は俺の方へと向き直った。
「うそ…」
 驚きから戸惑い、そして強張ったような涙目の表情へと変わっていく。
 見てたの? と、目が訴えていた。そして俺に批難を浴びせていた。
 しかしそれ以上に、名雪は脅えていた。
「…おまえ、何してたんだ?」
 そんな言葉が自分の口から吐いて出た。
 言ってから、自分でも驚いてしまうほどだ。
「…で、でも、でもっ!」
 慌てた様子でズボンを履いて、布団を手繰り寄せて身を隠し、俺の方を直視できないのか、そこに顔を埋める。
「祐一だってしてたじゃないっ! わたしっ、見てたんだよ。お母さんとお風呂でエッチな事してたじゃないっ。祐一も同じだよっ、わたしと同じだよっ!」


「…トイレ」
 寝ぼけ眼で布団から這い出て、半分習慣的に猫さんのはんてんを羽織る。
 オレンジ色に猫さんがプリントされた、わたしのお気に入りのはんてんだ。
 ぺたぺたと裸足で部屋を出る。
 暗い階段を手探りで降りて、トイレへ。
「…うにゅ」
 用を足しながら、ぼーっとドアを眺める。
 その時、何か声が聞こえたような気がした。
 …お母さんだ。
 いそいそとすまして、トイレから出る。
「…お母さん?」
 リビングに明かりは灯っておらず、真っ暗だった。
 お母さんを呼んでも返事はない。
 その時、また声が聞こえた。
 でも、今度はお母さんじゃない声も聞こえる。
 …祐一だ。
 声のした方へ行ってみると、そこはお風呂場だった。
 少し戸を開けて、中を覗く。
 曇りガラスがはめ込まれたドアのせいでよく見えないけど、お母さんと祐一が一緒にお風呂に入ってることは、ここからでも充分に分かった。
 でも、どうしてだろう。
 祐一、もしかしてずっと、お母さんと一緒に入ってたのかな。
 そう考えて、昨日も一昨日も祐一ひとりで入りにいってたのを思い出す。
 パジャマと下着を持ってお風呂場に行ったのは祐一だけで、お母さんはリビングでテレビを見てた。
 じゃあ、どうしてだろう…。
 覗き見なんてしちゃいけない、と心のどこかで分かっていても、わたしは何故かその場から離れられなかった。
「あ…」
 祐一がお風呂から出て、お母さんの背中を洗ってる。
 今度はお母さんが、祐一の背中を洗ってる。
 …あ、祐一が前を向いた。
 ……。
 …え?
 それから後は、全然信じられなかった。
 お母さんが祐一の…舐めたりとか…。
 反対に、祐一が舐めたりとか…。
 お母さんのいつもと違う声が聞こえてくる。
 わたしは怖くなって、それでも何だかドキドキしながら、お母さんと祐一を見ていた。
 なんだか変な気分。身体が熱いよ。
 祐一が腰を振って、お母さんが声を挙げて…。
 …もしかして、ここに、祐一のを……?
 そう思って、自分の股の間に手を伸ばす。
「ん…」
 何だか、熱を持っていた。
 その時、
『…あ…ああ…あっ!』
『ん、うぅぅんっ!』
急に大きな声がして、わたしはとても怖くなって、その場にひざまずいた。
 一体、何が起きたんだろう。
 おそるおそる、顔を出して覗き込む。
 二人してぐったりしていて、切らした息が微かに聞こえてきた。
 何なんだろう。全く分からなかった。
 しばらくして、お母さんがぐったりしたままの祐一を抱きかかえて、スポンジか何かで洗い始めた。
 そして、一緒にお風呂に入った。
 祐一の声がしない。どうしたんだろう。もしかしたら…。
 何だか不安になって、涙が出てきた。
 だけど、それはわたしの考え過ぎに終わった。
 どうやら祐一は眠っていたらしい。
 その後は、何か二人で話してた。
 ちょっと中に入って何を喋っているのか聞こうかな、としたところで、急に二人が立ち上がった。
 そして、ドアのノブに手を掛けた。
 いけない、見つかっちゃう。
 間一髪、わたしは足跡をたてずにその場から逃げ出して、部屋に戻った。

 …眠れないよ。
 布団に潜りこんで、もう三十分になる。
 目はすっかり冴えて、全然眠れそうにない。
 それに、目を閉じればお母さんと祐一の姿が浮かんでくる。
 絶対に、お母さんは祐一のを…。
 …まただ。また、ドキドキしてきた。
『あ…あぁ…むぅっ』
 お母さんの気持ち良さそうな声を思い出す。
 …どうなんだろう。本当に、気持ちいいのかな。
 そっと、その熱くなった部分をパジャマごしに触ってみる。
 …変な感じ。よく分からない。
 今度は、そのまま少し擦ってみた。
 ……。
 ん…。
 ドキドキが強くなった。
 やっぱり、気持ちいいのかな。
 でも…怖いよ。
 しばらく考えて、わたしは意を結して、パジャマを脱いだ。
 そして下着に手を掛けたところで、もの凄く怖くなって、脱げなかった。
「あ…」
 その部分は、何だか湿っていた。
 少し指を動かすと、こそばゆくて、息が荒くなって、湿る…というより、何だか濡れてきた。
 このままだと汚れちゃう…。
「……」
 そう、汚れちゃう。
 汚れてたら、お母さんに気付かれちゃう。
 だからわたしは、下着を膝まで下げて、
「……」
おそるおそる、おへそからだんだん指を這わせた。
「…あっ」
 膨らんでる部分を通り過ぎたところで、背中が痒くなった。
「はぁぁ…」
 指の腹に擦れて、何だか変な感じ。
 指の付け根まで達したら、今度はゆっくり引いていく。
 ずっとそれの繰り返し。
 何だかくすぐったいのは、これがたぶん『気持ちいい』っていう事なんだろうと理解した。
「んぅ…」
 声が洩れる。自分でも無意識に。
 膨らんだ部分を擦る度に、身体中に衝撃が走る。
 知らない間に、わたしの指は白っぽい半透明の液でべとべとになっていた。
「…あぁあ」
 …そうだ。
 確か祐一、お母さんの胸を舐めてた。
 あれもたぶん気持ちいいからなのだろう。
「…よいしょ…っと」
 液が付かないように気を付けながら、パジャマをたくし上げる。
 …べとべとになってるし…ちょうどいいかな。
 そう考えて、人差し指で胸の先っぽをツンツンとつつく。
 …分からない。本当に気持ちいいのかな。
「やっぱり、擦らないといけないのかなぁ…」
 べとべとの液を先っぽの周りに擦り付けるような感じで指を動かす。
「あっん…」
 気持ちいい、かも…。
「ひゃあん…うぅ…」
 手が止まらない。
 右手で胸を揉んで、先っぽを摘まんで、少し引っ張って。
 左手を股の間に挟んで、親指の腹で膨らんだ部分を擦って、人差し指をほんの少し――第一関節くらいまで、痛くないほどに中に入れて、抜いて。
 その手がべとべとになったらそれを胸に付けて、今度は反対の手で同じ事を。
 ヌルヌルが足りなかったら自分の唾を付けて。
 もっと刺激が欲しくなったら、両手で自分のを広げてみたり。
 ちょっと痛い。
 分からない痛み。
 でも、それが気持ちいい。
「ひゃあ…ひゃああ…」
 頭の中がごちゃごちゃ。
 人差し指を深く中まで入れてみようって思ったけど、痛かったから止めた。
 その分、もっと激しく擦った。
 くすぐったい。こそばゆい。熱い。痛い。
 だめ…何か…。
 手を止めないと…でも…。
「あぁぁ…ひゃっ、ひゃぅぅんっ!」


「…見てたのか?」
 俺の問いに、名雪がピンと背筋を張り上げる。
 やはり、自分の言った事をきちんと把握してなかったようだった。
 名雪は俺の方に向き直り、そして何も言わなかった。
 恥ずかしい、より先に、どうしよう、という考えが頭を廻った。
 そこから後は、自分でも何を思ったのか分からない。
 ただ、名雪に歩み寄って、布団を剥ぎ取って、そして…。
 気がつけば、名雪を押し倒したような格好になっていた。
「…俺は、名雪がさっきそんな事をしてたなんて、絶対誰にも言わないぞ。秋子さんにも、だ」
「……」
「だから…名雪も、言わないでほしい。たぶん、やっちゃいけない事だと思うから」
「……」
 うん、と小さく頷いてから、名雪は真一文字に閉じていた口を開けた。
「ねえ、祐一。わたしね…」
 そこで一旦、言葉を区切る。
 そっぽを向いたり、口を小さくパクパクさせたり、何か考えているようだ。
 十秒、あるいは二十秒ほど経っただろうか。
「わたし、お母さんみたいに、気持ち良くなりたいな…」
 身をよじらせて、恥ずかしさに耐えながら、泣きそうになりながら、それでも名雪は縋るような目で俺を見た。
「…だめ、かな」
「…バカ。ひとりより…ひとりよりふたりの方が気持ち良くなれるだろ。だったら、気持ちいい方がいいだろうが」
「ゆういち…」
「別に名雪がそんな事をしてたからって、俺はおかしいなんて思わないぞ。それだけ大人に近づいてるって事だと思うから。…な?」
「…ゆういちぃー」
 嬉しそうな声。
 そして俺たちは、自然に唇を合わせた。
「ん…」
 短く声を洩らし、それでも背中に必死になって手を回そうとしている名雪。
 俺が腰を上げているから届かないのだろう。
 俺は名雪が安心するようにと、太もも、胸、全部を密着させて名雪を抱き締めた。
「ゆういちぃー…」
 ほわんとした笑顔。
 それから後は、お互い縋り寄ったり、軽いキスを何度もしたりと、もつれ合うようにして…何分くらい経っただろうか。
「ねえ、祐一。…お母さん、祐一に何をしてたの?」
「…え?」
 俺に覆い被さるようにして、頬と頬をくっつけるような状態で、耳元に囁いてくる。
「わたしね、祐一を気持ち良くさせたい。でもね、仕方が分からないから…」
 猫のように頬を擦り合わせてきたかと思うと、名雪は上半身を起こした。
「…祐一、わたし、どうすればいいのかな?」
 言いながら、頬から胸、そして下腹部へと手を這わせていく。
「…ここを舐めるの?」
 既に固くなっていた俺のものを、名雪は軽く握るようにして上下に摩ってくる。
「…頼む」
 それは、俺の中に残っていた僅かな強がりだった。
 しかし、名雪はそんな事などお見通しだったのだろう。おかしそうに笑って、俺を見つめていた。
「…なんだよ」
「ううん、なんでもないよ」
 そう言って、視線を俺の下腹部に向ける。
「うんしょ…っと」
 膝で歩き、俺の両足を股の間で挟むような格好を取る名雪。
「…祐一、腰、ちょっと上げてくれないかな」
「……」
「言う通りにしてくれないと、ズボン下ろせないよ」
 ほらほら、と、ズボンの両端を掴む名雪。
 完全にこの状況を楽しんでいるようだ。
 うぅ…俺、いじめられてる?
「ゆういちっ」
「…あぁ」
 背中と足に力を入れて腰を上げる。
 すると、待っていましたと言わんばかりに、名雪は一気に俺のズボンを引き摺り降ろした。
「うわぁ…」
 ズボンに弾かれるようにして、俺のものが名雪の目前で反り返る。
「これを…舐めるんだよね」
「あぁ…」
 ごくっ
 お互い、固唾を飲み込む。
「何だか、今更だけど、緊張しちゃうね…」
 言いながら、名雪は俺のものを軽く掴んだ。
 その微妙な感触に、俺のそれは無意識にビクンと震える。
 それでも、名雪は掴んだ手を離さずに、ゆっくりと上下運動を始めた。
「……」
「…祐一、気持ちいい?」
「あ…あぁ」
「…うん」
 俺の返事を聞いて、名雪はゆっくり頷いた後、口を俺のに近づける。
 はぁはぁと生暖かい息が微妙に気持ちいい。
「名雪…早く…」
「う、うん…」
 我慢できない何かが身体を走る。
 それなのに、名雪は今更ながら戸惑っている。
「俺…もう、我慢できないからさ…早くしてくれ…」
「……」
 無言が続く。
 俺のものを握っている手に、若干力がこもる。
「…いくよ」
 名雪は大きく口を開けて、俺のものに顔を近づけた。
 …くに、と名雪の前歯が当たる。
 そこから後は腹を括ったのか、一気に根元まで咥えてくれた。
 喉の奥に先っぽが当たる。根元を暖かい、柔らかい、不思議な感触が纏う。
 ただ、何か足らない。
 確かにそれは気持ち良かったが、秋子さんの時と比べて、何かが抜けているようだった。
「名雪。…舌も使ってくれないか?」
「……」
 上目遣いに、本当に? と訊いてくる。
 その間も上下運動は休めない。
 …さすがに、それは酷か。
 そんな事を思った矢先だった。
「ひっ…」
 外側の先の方に、ぬるっとした感触。
「…痛かった?」
「いや、いい。…続けて」
「…うん」
 秋子さんのより気持ちいい。そう思ったのはどうしてだろうか。
 名雪の舌が纏わりつく。口の中で、俺のをころころ転がすように回される。
 頬の内側に先が当たる。そこが擦れて何ともいえない感触を与える。
「はむっ…むぅっ…」
 次第に、上下運動が激しくなってきた。
 涎でてかてかになった根元は、すぐに名雪の口の中に収まる。
 じゅる…じゅぶる……
 卑猥な音が聞こえてくる。
 先を咥えたまま、人差し指と親指の輪っかで扱かれる。
 舌が先を突つく。舐め回される。
「な…名雪…」
「…なに?」
 俺の顔を覗き込んでくる名雪。
 秋子さんの時と同じ何かが出てしまいそうだったのだ。
 …あの後、何だか無性に眠くなったしな。
「もう、いいから…」
 そう言って、名雪から離れる俺。
 そして腰を引き摺るようにして、後ろに回る。
「…祐一?」
「そのままでいいから」
 体制を変えようとする名雪を押し留める。
 そう、名雪は今、俺に腰を突き出すような格好になっていた。
「……」
 軽く、ゆっくりと太股に触れる。
「ひやっ」
 その途端、名雪はビクンと予想外の驚きを見せた。
 ただ、それでも俺を止めようとせず、ギュッとシーツを握っていた。
 手を、太股から足と足の間、そして少しずつ上に上げていく。
 人差し指に生暖かい感覚があって、今度はゆっくり擦るように引き抜く。
 その都度、名雪は小さく震えていた。
「…ねえ、祐一」
「…なんだ?」
「あのね、下着、汚れちゃうといけないから…」
「…俺にどうしろと?」
「…その、ね」
 躊躇いながら、頭を布団のシーツに押しつけて、自ら下着に手を伸ばす。
 そして、俺がその正面から見ているにも関わらず、その下着を降ろした。
「……」
 足と足の間に、お尻からすっと伸びた縦線が一本。
「あんまりじろじろ見ないでよぉ…」
「…あ、あぁ」
 秋子さんとは違う。そんな感じだった。
 その割れ目の両側に指をあてがい、押し開く。
「ひゃぁぁ…」
 名雪の声にならない声。
 恥ずかしさのあまり、近くにあった枕を抱き抱え、顔を押さえ付けている。
 ごくん、と喉が鳴る。
 俺はその押し開いた部分に口をつけて、舌をゆっくりと這わせた。
「ひゃぅ…ひゃぁ」
 その感覚に、名雪は腰を振って、逃れようとした。
 それを、俺は逃がすまいと両手で腰を固定し、閉じてしまったところに舌を這わせて押し開く。
「ぁぁぅ…」
 舌の先に、ぬるっとしたものが触れる。僅かに苦い。
 もう少し全体的に、とも思ったが、この体勢ではここまでが限界みたいだ。
 俺は顔を離し、名雪をあお向けに寝かせて、再び…。
「えっぐ…ひぃっ…」
 気持ちいい、より、怖い、がきたのだろう。
 名雪は半泣きになりながら、じっと俺の方を見つめていた。
 足に力を入れる気力すら残っていないらしい。
 俺が膝を掴んで足を開かせたというのに、名雪は抵抗一つ見せなかった。
「ひっぐ…ぇっ…」
 自分の涙を手で擦る名雪。
 しかしそれでも、俺はその行為を続けた。
 秋子さんとのあの感じが頭の中を行き来する。
 気持ち良くなりたい。だから、名雪にも気持ち良くなってほしい。
 今はただ、それだけしか考えられなかった。
「あぅ…ひゃぁぁ」
 割れ目に口を押し付け、線に沿うようにしてキスを重ねる。
 そのまま舌を出し、奥へと押し込む。
「ひぅ、だ、だめだよぉ…ひゃっ…」
 何とか俺から逃れようともがいているが、所詮は名雪。男の俺に敵うわけがない。
 俺は名雪の両足を重ねて前に倒し、えびぞりのような格好にさせ、その部分を人差し指で撫で回した。
「あぁぁ…ひゃぁぅうう…」
 もはや隠す術もなく――ようやく諦めたのか、名雪はショーツを固く掴んで、それに耐えていた。
「……」
「…え? な、何をするの…?」
 両足を抱えるようにして、腰をこちらに引き寄せる。
「名雪、いくぞ」
「え、あ…だ、だめだよっ! 無理だよっ!」
 そして、名雪の大切な部分に、自分のをあてがった。
「やぁ、やだよぉぉ…あぁぅっ」
 少しずつ、少しずつ、俺のものが埋もれていく。
「いたぁいっ!」
 何かにつっかえて、押し戻されるような感覚。
 それでも、俺はその行為を止めなかった。
「あぁっっ!!」
 身体を反り返らせる名雪。それと同時に、つっかえが無くなったように、俺のものが全部名雪の中に入った。
「ひどいよぅ、ゆういち…あぅ…あ…」
 軽く腰を動かすと、苦痛に歪む名雪の表情。
 最初は痛い。でも、すぐに気持ち良くなる。
 秋子さんとの時に、俺はそれを知っていた。
「ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃぁぅ」
 腰の動きにワンテンポ遅れて声を挙げる。
 キツくて狭い名雪のそれは、俺の侵入を頑なに拒んでいるように思えた。
「…名雪、ちょっと力を抜いてくれないか? このままだと、たぶん痛いだけだぞ」
「……」
 俺が声をかけると、名雪はスッと俺の方を向いた。
「…祐一、もうやめてよ」
「……」
「…大人になるって、こういうのをすることだって思ってた。でも…」
 そこで一旦話を区切って、上半身を起こし、身体を浮かせて腰を引く。
「んっ…」
 苦い表情で俺のものを引き抜く。
 名雪を貫いたそれは、血と別の何かが混ざってべとべとになっていた。
「でも…こんなに痛いのなら、わたし、まだ子供でいいよ。子供で…」
 ……。
「…祐一のバカッ!」
 パシンッ
「…痛ってーな! お前いったいどういう…つもり…だよ」
「わたし、わたし怖かった! 抱きしめてほしかった! 祐一なら、祐一ならきっと…」
「……」
「…きっと、分かってくれるって思ったよ。信じてたよ。それなのに、それなのに祐一」
《「名雪、いくぞ」》
「ひどいよ。あんまりだよ…」
 泣きじゃくりながら喋る名雪。
 俺にはもう、名雪にかけてやる言葉はなかった。


 結局、名雪とのギクシャクした関係は、この街を離れる日まで続いた。
『…さようなら』
『あぁ…』
 最後に交わされた言葉。
 言葉の意味は、俺にはもう分からない。
 それが絶対的な拒絶なのか、それとも…。


End.

Written by 山本 学
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